博物館のご紹介

      
  ご挨拶
 
 富山県立山カルデラ砂防博物館は、立山や立山カルデラの自然と歴史およびそこで行われている砂防事業を紹介することにより、広く人々に大自然の魅力と驚異、立山砂防についての理解を深めていただくため、1998(平成10)年6月に県立総合博物館として開館しました。 立山の自然の特徴は、上昇する山、氷の山、火の山、水の山で表すことが出来ます。その中には、「知られざるもうひとつの立山」といわれる不安定な立山カルデラがあります。 その立山カルデラで行われている砂防事業のきっかけは「安政の大災害」です。1858(安政5)年の飛越地震で立山カルデラの南稜線にそびえる大鳶山、小鳶山が大崩壊を起こし、崩れた土砂によって天然ダムができ、それが決壊して土石流となり、下流の富山平野を襲って大きな被害を与えたのです。 富山県は富山平野の安全を願い、1906(明治39)年から立山砂防の事業を始めました。その後、1926(大正15)年からは国の直轄事業として今日まで営々と工事が続けられています。 当博物館では、こうした自然や歴史、砂防事業について、学芸員が日頃の調査研究をもとに、常設・企画展示コーナーなどに工夫をこらし刷新に努めています。また、立山カルデラを含む常願寺川流域を博物館の「野外ゾーン」と位置づけて、「立山カルデラ砂防体験学習会や」「フィールドウォッチング」を実施しています。 また、世界文化遺産への登録をめざす富山県の提案や取り組み「立山・黒部〜防災大国日本のモデル−信仰・砂防・発電−」を紹介するとともに、「立山・黒部を誇りとして世界に発信する県民の会」と連携して、屋内展示、カルデラ見学会、講演会などを開催しています。 今後とも地元および関係機関との連携を図りながら、博物館のより一層の充実に職員一同力を合わせてまいります。皆様のあたたかいご指導、ご支援を心からお願い申し上げます。

令和2年4月
富山県 立山カルデラ砂防博物館長
 成 瀬 龍 也

 
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