ホットな情報コーナー
2012年 7月 28〜 29日(土・日)
  真夏のサイエンスショー2012
  自然現象を「真似てみる・探ってみる」ことでその原理や振る舞い、不思議、脅威を楽しく理解するイベントとして、2日間にわたってサイエンスショーをおこないました。

  毎年恒例のイベントとなってまいりましたが、今年は山地形の成り立ちや、河川の働き、自然災害、雪と氷をテーマとして、二人の実験講師をお招きするとともに、同時開催の企画展「氷河と万年雪」から「ピンポン球なだれ」体験展示を当館学芸員の解説でご覧いただきました。直接観察することが困難な場所で発生する複雑な自然現象を、簡単な道具や標本を利用した実験装置で現象の仕組みが単純明快に再現され、直感的な理解が促されるすばらしいイベントとすることができました。

  過冷却状態の水蒸気がちょっとした刺激でダイヤモンドダストへと変化していく実験や、弥陀ヶ原の台地形や称名滝が上下の地層の岩質の違いによって生じる差別侵食によって形成されたことを再現する実験など、刻々と現象が進行していく様子が目の当たりにでき、子供はもちろん大人も目を釘付けにされている様子にみんな童心に返っているようでした。

  当たり前のように見ている現象でも実はその原理は意外と知られていないものです。自然が美しいと思うこと、厳しいと思うこと、それぞれの背景を正しく理解することで自然と上手にふれあえる距離感が芽生えてきます。自然の変化に富む日本では特にこの距離感がとても大切なことなのだと思います。この体験がご覧いただいた方の心にいつまでも残り続けることを願っています。
 
平松和彦先生 目代邦康先生
  雲の中でできる雪結晶をペットボトルの中に作り出すことができます。その材料や環境、成長過程が一目瞭然となります(サイエンスショー「雪と氷のふしぎ」より)。 山地にできる地形の傾斜は、実は幾つかの形成パターンに分かれていてそのとき斜面の角度も定まります。(サイエンスショー「地形のでき方を探る」より)。