ホットな情報コーナー

2009/09/15(火)〜10/12(月)
 特別展
  飛越地震 −中央防災会議報告書より−
 内閣府中央防災会議は今年3月、飛越地震による震災とそれに引き続いて発生した常願寺川の大洪水について、過去の文献や新しい知見を体系的に整理・収集した「1858 飛越地震報告書」を公表しました。被災の経験によって得た知識・教訓を的確に継承し、国民の防災意識を啓発するとともに将来の災害対応に役立てることを目的としています。

 私たち博物館は近年の地震災害に対する防災意識の高まりとこの報告書の公開を、多くの方々に地震災害について知ってもらう好機として本特別展を企画しました。

 特別展では、富山県側だけでなく岐阜県側飛騨地域を含めて被害の調査から復興活動までに至る道のりをたどりました。それぞれの地域を支配していた加賀前田藩と徳川幕府は詳細な記録を残しています。それら古文書・古絵図からは、現代に比肩するほどの量の情報収集をおこない二次災害の発生や罹災の予防に努めたこと、迅速な救済活動により被災した民衆を援助したこと、また被災した民衆がただ支配者による復興を待つ受け身の姿勢ではなく自らの手で生活を取り戻そうとする志と行動力を持っていたことなどが読み取れます。

 自然災害に対して社会基盤が複雑化した現在、昔と変わらぬ脆弱性をはらんでいるといえます。観覧いただいた方々には防災意識の堅持と自助・互助努力の発意が今昔通して大切なことなのだと温故知新に感じてもらえたのではないでしょうか。