2000/7/2 vol.11b

ミヤマハタザオ

Arabis lyrata L. var. kamtschatica Fischer
アブラナ科 ハタザオ属

   山地の砂礫地などに生育する多年草。
 高さ20〜40cm。茎は基部でよく分枝して高さ10 〜40cmぐらいになります、根出葉は
ロゼット状で羽状に分裂し、先端の裂片が一番大きくなります。ロゼットの状態で越冬し、
雪解け後に茎をのばし、6月頃、茎の先端付近に白い十字状の花をつけます。その後
8月まで少しずつ花をつけ、花が終わったものから順に果実をつけます。果実は3〜4
cmの線形の鞘になり、中には30個前後の種子ができますが、種子は1個 0.1mgほど
しかなく、平たい楕円形をしています。成熟すると鞘が開き、種子がばらまかれます。
 この付近では立山カルデラや、称名滝周辺に生育しています。富山県の天然記念物
クモマツマキチョウの幼虫の食草ですから、蝶の保護にはこの植 物の生育環境、つまり、
よ く日のあたる砂礫地を確保しなければなりません。


   
右の写真のつぼみの下に、産み付けられたばかりのクモマツマキチョウの卵があります。

     元に戻る