ホットな情報コーナー
2007/10/13(土)〜12/2(日)
 第20回企画展
  「SABOーその技術と道具の変遷」
 昨年、常願寺川における砂防事業が開始されてから100周年を迎えました。今年は、かつて人力で行われていた砂防工事を「道具」で振り返る企画展を開催しました。
 白岩砂防えん堤(本えん堤高:63m)は日本一の高さを誇り、立山カルデラの基幹えん堤となっています。この巨大な砂防えん堤が、どのように計画され、築造されたのかを知ってもらうために工事過程の写真や関係資料を展示しました。有数な豪雪地帯として知られる立山カルデラにおける白岩砂防えん堤の築造は、他に類を見ない難工事でした。工期が約半年間ほどに限られるため、デリッククレーンなどの最新の重機械類を導入するなど、現場の近代化が図られました。
 一方、道具は、生活や生産のために必要としてつくりだされ、利便性と耐久性が求められ工夫と改良を重ねることで進歩してきました。立山砂防工事の現場には、昭和初期に重機械類が導入されたものの、多くの砂防施設の築造は、人力と小さな道具に負うところが大きかったと言えます。展示では、来館された方々が道具に触れたり、使用できるように工夫しました。コンクリートを練るスコップなどの工事用具、砂利(バラス)を入れるための箱、モッコや背負子などの運搬用具に衆目が集まっていました。また、親子連れが「手廻式計算機」を使って一所懸命に計算問題を解いている姿が印象的でした。
 11月1日(木)から4日(日)まで最新の測量機「3Dレーザースキャナー」をNTTインフラネットのご協力を得てデモ展示しました。こうした最新機器と古い道具を見比べると、隔世の感がありますが、かつて使用されていた小さな道具にも当時の人々の智恵と工夫が集約されていることが分かります。道具に触れながら、先人の積み重ねてきた努力と苦労の一端を垣間見ることができた、有意義な展示となりました。
正面タイトル 主な砂防技術の紹介
手廻式計算機に挑戦する小学生 昔の工事用具にふれるコーナー
展示パネルに見入る来館者 最新測量機のデモ展示